オトナな初恋
「拓海さんを認めないんじゃなくて、誰も認めようとしてないよね、お兄ちゃんは。」






そこで頼んでた日替わり定食を店員さんが運んで来て、一旦話は止まる。






「…いただきます。」








食べてる時まで、言い争いたくないのか、3人共黙って食べていた。





食べ終えて、私はお兄ちゃんに話し始めた。






「私も本気なの。初めてこんなに人を好きになったの。だから…」




『…仕事に戻る…昨日と同じ場所で帰りも待ってるから…』




ひとり店を出ていくお兄ちゃん。







「…拓海さんせっかく来てくれたのに、融通のきかない兄でごめんね。」





『すぐに認めてもらえるなんて思ってなかったさ。気にするな。認めてもらえるまで諦めないから。』






「うん。ありがと…」



『仕事に戻るか。』








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