オトナな初恋
何しに来たかなんて聞かなくても想像はついていた。


お兄ちゃんの手には大きな紙袋。この近辺にあるホテルの名前が印字されていて、中には小冊子のようなものが入っている。




「お兄ちゃん、今日仕事はどうしたの?」




『有休とった。』






確信にかわる。今日こっちに来てあちこち周って探してたんだ。




結婚式会場を













家にあがるなりリビングテーブルに紙袋の中身をぶちまけるように出したお兄ちゃん






教会の写真のパンフや、ドレスのパンフ、海外挙式なんてのまであった。






「やっぱりね…」




肩を落として呟く私を完全に無視し、お兄ちゃんは拓海さんに





『付き合ってる以上は男の誠意を見せてくれ。』




誠意なんて言葉はいいかもしれないけど、ようはお兄ちゃんは私に手を出したんだから、さっさと結婚して責任とれと言っているだけだ。





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