オトナな初恋
「それって…やきもち?」





『こんなに独占欲強かったなんて、自分で呆れてるよ。亜希が俺に飽きて、別れたいなんていう前に結婚して、ずっと一緒にいたいと思うのはわがままか?』





「飽きるだなんて…そんな事あるわけない!だから、お兄ちゃんの事一所懸命説得したんだよ!?」





『だったらどうして、結婚そんなに嫌がる?まだ独身でいたいからじゃないのか?』





強く抱きしめてくる拓海さん。





「私は拓海さんとじゃなきゃ結婚なんてしたくない。本当だよ?ただ…周りに流されて結婚決めちゃってるようで、嫌だったの。」




今年社会人になったばかりで、上司とすぐ結婚なんて男探すために就職しました。って周囲に思われそうなのも嫌だった。それに、




「私、働き始めたばかりで、少ししか貯金だってしてないし、それですぐ結婚なんて拓海さんの負担になるのも嫌だったの。」




結婚するって決まったら、きっとお父さん達は援助してくれる。そんなのも嫌だった。




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