オトナな初恋
「働き始めて、一人暮しも始めて親から自立したと思ってのに、すぐに結婚して今度は拓海さんの世話になんなんて…負担になるのが嫌だったの」







『それは、』



『それは違う!!』



突然大きな声が聞こえて私達は離れた。
私達のそばにはお兄ちゃんが立っている。





『亜希の言うこともわかるけどな。男は守るべき者がいるほうがより一層仕事も頑張れる。それに負担が増えるんじゃなく減るんだよ。』



「…?」


『嬉しい事は2人で2倍。辛いときは2人で負担しあえば、半分に減るだろ?世話になるんじゃない、支えて合って生きていくんだ。俺は亜希とそうして生きていきたい。』



お兄ちゃんの続きを拓海さんが話す。




『そうだ。俺は、お前ら2人で俺に酒飲みを挑んできたの見て、2人はそうやって助け合っていけると思って認めたんだぞ?いつまでも恋人気分でいるよりも、夫婦として支え合っていけるよう、仕事休んでまで、あちこち歩き回ってやったのに。お前はまだ男心がわかってないな』





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