オトナな初恋
「い、いえ!平気です!」


ただでさえ、ひとり残って私達を待っててくれてたのに、着替えまでして待たせるなんて出来ない。


サロンを出る前にもう一度お礼をしてから出た。




「拓海さん、トイレで着替えてきちゃ駄目かな?」



『着替えたいなら、部屋借りれば良かったのに。』




「申し訳なくて、断ったけど、こうして服を目の前にしたら着替えたくなっちゃって…上の階に赤ちゃんのオムツ替えれるような広い多目的トイレあったよね。そこで着替えさせて。」




お願いのポーズをとって頼み込み、一緒に上の階へ行く。






「少しここで待ってて。」




裾を汚したりしないように慎重に振り袖を脱いでたたんだ。









着替えを終えて、トイレから出ると、拓海さんの姿が見えない。
待っててって言ったのにどこ行ったんだろう?




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