オトナな初恋
ゆっくりと開いた扉。
中は外より明るい照明で奥の十字架には白いスポットライトで照らされていた。




つい数時間前に奈緒とお兄ちゃんの式が行われた場所。ホテル内にある教会。




「勝手にこんな所入ったら怒られるってば。」





『大丈夫だろ。』




私の手をつないだまま、中へ踏み込む拓海さん。




バージンロードはロープで封鎖されていて、端から前へと進んでいく。






とうとう一番前まで来てしまった。








『俺達だけの誓いをたてよう。』



目の前の十字架を見つめていた私にそう提案してきた







『神父やみんなの前で誓う前に、2人だけで誓いあおう。』





「2人だけで誓い合う?」




私の肩に手をかけて向かい合うように促される。





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