オトナな初恋
「あ…関口主任!?」


『やっとこっち向いた。』

そう言って関口…徹さんは微笑んだ。



関口主任は私の勤める会社の5歳上の先輩。


先輩といっても部署が違うので私との接点はほぼないに等しい。

それなのに私が彼の事を知っていたのは、彼が会社ではとても優秀という噂、そして1、2を争うルックスの持ち主だから。


『結構前から呼んでたんだよ?でも雨の音で聞こえなかったのか全く反応ないし。』

えぇっ!?結構前っていつから?

『それで聞こえないのかな?と思って、1回クラクション鳴らしてもらったんだけど、今度は気付いてるっぽいのに無視だし…』


「す、すみません!!見覚えの無い車だったので、てっきり…」


不審者だと思ってました。なんて……言えないよ!!

言葉に詰まってる私に、関口主任は、不思議そうに聞いてくる。


『てっきり??』

オウム返しされた。
だから言えませんってば!!と心の中でツッコミを入れる。

関口主任はモテるから、まさか自分が不審者と思われてたなんて、全く気付かないんだ。

あーん。どうすれば上手くごまかせるの??



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