オトナな初恋
『帰り迷わなかったか?』

「はい。大丈夫でした!」

『悪かったな。送ってやれなくて。…って多田の店に車置いてたから、なかったんだっけ。』


「あ、もう車取りに行ったんですか?」


『今向かってるところ。早い時間に行っても、寝てるし、仕込みとか忙しいから、開店の少し前に来て欲しいって、前に言われた事あるんだ。』


「あの!だったら私も今から行ってもいいですか?」

『は?』


「えっと…昨日酔っ払って迷惑かけちゃったこと、謝りたいなぁ、なんて」


ってそれもあるんだけど、本当は早坂主任に逢いたいだけ。


『お前よりたちの悪い酔っ払いなんて山ほどいるんだし、そんな気にすることでもないけど…来たいなら来れば?』


「はい!近くにいるので、すぐ向かいますね!」


『近くって?』


「今日奈緒と…会社の同期の友達と、買い物に出てたんです。だから、あと10分位で着けると思います。」


『俺はこれから地下鉄乗るから、もうちょいかかるかな。中に入って待たせてもらって。俺からも電話入れとくから。』


「はい!それじゃまた後で。」


電話を切って、その場でついガッツポーズ!!


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