オトナな初恋
『桜井さんも、一緒にどう?』


「いえ、私は…」


『そんな事言わないで。一人で食べてもつまんないし、ね?』


どうしよう。早坂主任も食べて帰るのかな?それとも車だけ取ってすぐ帰るのかな。


『僕とじゃ一緒に食べたくない?』


「そんな事ないですよ!」

『じゃあ。決まり。食べて行こうね。』


「…はい。」


やっぱり、変。
関口主任ってこんなに強引だった?
仕事中の関口主任は誰に対しても、こんなに意見を主張したり、強引じゃないのに。それとも、プライベートはこんな感じなの?


『ちょっと電話してくるから、座って待っててくれる?』


言われるがまま席に座った。





早坂主任、遅いな。


お店はもうそろそろ開店間近。


出されたお茶を一番端の席で、飲みながら待っていると、電話を終えた関口主任が戻って来た。そして早坂主任の姿が関口主任の後ろに見えた。


『ちょうどそこで会ったんだ。早坂も飯食べて行くってさ。』


隣に座る関口主任。
関口主任の隣に早坂主任。

おかしくない?関口主任の口ぶりに、この席順。


まるで私と関口主任が待ち合わせしてました。みたいな…
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