オトナな初恋
「きゃあっ!」


あまりに近くに立っていたからびっくりしてしまった。


『はは。驚かせるつもりじゃなかったんだけどな。桜井さんも電話だったの?』

「実家からでした。関口主任は?」


『結婚式の2次会に参加しなかったから、知り合いからのクレーム電話。』

「あは。クレームですか?」


『うん。披露宴も立食形式のカジュアルなやつだったんだけど、知らない人達に囲まれちゃって…だから2次会はごめんって、お願いしてた。』


「囲まれてたって事は…女の子ですね?関口主任、モテますもんね。」


『俺は好きな子に好かれれば、それだけでいいんだけどね。』


「ですよね!好きな子いるんですか?」


『…いるよ。前から気になってる子が。』


「そうなんだ。上手くいくといいですね!関口主任から告白されたら、きっと女の子なら、喜んでオッケーすると思いますよ!」


『…本当にそう思う?』


「はいッ!だから頑張ってくださいね。応援しますから。

あ、上手く言ったら教えて下さいよ?お祝いします…」


そう話している最中に、手首を強く掴まれた。


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