オトナな初恋
『本当に好きなんだ。今まで付き合って来た時ですら、感じた事がないくらい好きなんだ。だから…』



「…私だって…初めてだったんです。」



『え?』



「私だってッ!!初めての恋だったんです!!…早坂主任が…初めて好きになった人なの。」



『亜希ちゃん…』



私の肩に手を置く関口主任。



「初めて好きになって…ッ…初めての…キスだったのにッ…ひっく…」



『キス…え?初めて?って…』



「返してよ。…ック…私の初めて返してよぉッ!!」



その場で泣き崩れてしまった。



『亜希…ちゃ…』



「お願いッ!…ひっく…返して下さい…返して…」



こんな事って…。



昨日早坂主任にしてもらってれば…
それでもきっと泣いてしまったと思う。



関口主任にしてみたら、キスくらいでって思ってる?


私には、大切な事だったのに。
なのに…こんな形で奪われるなんてッ…



「返してよぉッ!!」



















『どうしたんだッ!?』



ビクっと身体が声に反応した。



それは、大好きな人の声だった。


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