オトナな初恋
『今日はもう、家まで送るから。』


落ち着いてきたけれど、顔を上げられない。

どんな顔で早坂主任と話せばいい?


『…荷物取ってくるよ…』


中に戻る早坂主任。


『亜希ちゃん…』


「ごめんなさい…私…関口主任の気持ちには、答えられません…ごめんなさい……ごめんなさい…」


『…わかってたんだ…なのに…困らせて…泣かせて…ごめん…』


下を向いたまま、首を横に振る。


早坂主任が私の荷物を持って店から出て来た。


『立てるか?』


コクンと頷き、立ち上がる。

手を引っ張られ、車に乗せられた。


その間、私は関口主任の顔も…早坂主任の顔も、見ることが出来なかった。






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