オトナな初恋
「はい!すごく良い上司です!」


『上司…ねぇ…。それだけじゃない気もするけど?』

からかうような感じで聞かれた。


「そ、そんな事…」


『フフフ…そう?私の勘って鋭いんだけどな。
そんなに慌てなくても、いいのよ。軽い冗談なんだし。今度ゆっくり聞くから、今は早くお昼行ってきなさい。』


ケラケラ笑いながら言う笹岡さん。



ほんとに鋭い。私、そんなにわかりやすいのかな?


…気をつけなくちゃ。





お弁当を食べて、戻ると、会議を終えた関口主任が部屋にいた。



「あ…」
『あ…』


お互い気付き声が重なる。




「会議…お疲れ様でした…」


そう言って席に座る。



『早坂は…もう少し後で来ると思う。部長に呼ばれてたから…』


「…そう…ですか。」





『あの…さ、土曜日の事なんだけど…』



身体が強張った。




『僕…結構飲んでて…ヒドイ事したって思ってる…
本当にごめん…』




私の席まで来て、関口主任は、頭をさげてきた。






.
< 95 / 362 >

この作品をシェア

pagetop