雪の音
縮まる距離
それは、突然のことだった―――…
忘れもしないあれは、もうすぐ夏休みに入ろうかという七月の暑い日だった―――…
中学の時は、一応部活に入っていた私。
だけど、元々、それほどしたいと思って部活をしていたのではなく、ほぼ義務に近い感じだった。
だから、高校では特に部活に入らなくてはいけないというわけでもなく、帰宅部も多いことから、私も部活に入ることはなかった。
だから、いつもは授業が終わると早く帰っていた私。
だけど、その日はたまたま担任に捕まり仕事の手伝いをさせられ遅くなっていた。
「ハァ~…」
別に、外が暗くなっているというわけでもない。
夏ということもあり、日は長くなっていてせいぜいいつもよりも空がオレンジ色に染まっているという感じ。
だけど、いつもとは違う時間に帰るということ。
それと、担任に捕まり、余計な仕事を追わされたという疲れから、私は盛大に溜息を吐いていた。
「好きなの………」
消え入りそうな声が聞こえてきたのは、私が盛大に溜息を吐いていたその時だった。