雪の音





 ―――――え…?





 下駄箱に脱いだ上靴を入れようとしていた手を止め、私は固まってしまう。





 い、今のって―――…。


 こ、告白…だよね………。





 声は小さかったけど、確かに聞こえた。


 こ、これは、どうしたらいい?


 さっさとこの場から離れなくちゃ、立ち聞きしていることになるし―――…。


 それも、内容が内容なだけに、これは聞いてたら絶対にまずい。


 だけど、今、ここから動けば私がここに居たことを気づかれるかもしれない。





 八方塞がりだ!!











「―――ありがとう…」





 一人であたふたとしている間にも、会話は進んでいく。


 どうやら、相手は告白を受けるらしい。顔も名前も知らない誰かもわからない状態の私だけど、なんとなくホッとした。


 誰かも知らないけど、やっぱり聞いてしまったからには断りの言葉なら気まずく思うもの。


 だけど、ホッとしたのも束の間。


「―――でも、ごめん…」


「―――え…? どうして…?」





 女の子がそう聞きたくなる気持ちもわかる。


 だって、私もそう思ったもん。


 告白を受けたものだと思っていた私。


 恐らく、相手の子だって―――…。





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