幼なじみ物語2
「でもさ、卒業したらみんなバラバラになっちゃうんだね‥T高組だって、ずっと一緒とは限んないし」


寂しそうに百合が言った。

そこにいるみんなが下を向いた。

確かにいつまでも一緒にいられるとは限らない。

高校の違う百合や若歌、透や肇とはなかなか会えなくなるわけだし、同じT高のメンバーともクラスによっては疎遠になる可能性もある。

知らぬ間に、俺らの間に会話は消えて。

誰もが先の見えない未来に不安を抱いていた。


「そんな暗くならないでよ!」


その時、碧依が沈黙を割るように口を開いた。

みんなが一斉に顔をあげて碧依を見た。


「あたしたちがお互いを信じてなきゃ、本当に離れていっちゃうよ?高校別になったって、1人1人を思ってたらずっと一緒にいられるとあたしは思うけど」


自信のある笑みを浮かべながら言う碧依。

そこにいる全員が、順番に頷いた。




< 102 / 163 >

この作品をシェア

pagetop