幼なじみ物語2
「どうしたの?悟」


まだ目を赤くしたまま、碧依は問いかけた。


「碧依にな、渡したいものあって」


そう言って俺は、自分の制服に手をかけた。


「これ‥」


碧依の手のひらの上にそっと落とす。


「‥ボタン?」

「俺の第二ボタン。碧依にもらってほしいんだ」

「えっ‥?」


俺が決めていたこと。

第二ボタンを碧依にあげること。

大事な人にあげる第二ボタン。

俺は迷わず碧依にあげたいと思った。

俺が碧依を好きな証。

そんな思いを込めて。




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