幼なじみ物語2
「俺にとって1番大切な人って言ったら碧依だから。だから碧依にもらってほしい」


俺がそう言うと、碧依はボタンを握りしめてまた泣き始めた。


「悟っ‥‥ありがとっ‥」

「あーもう、また泣くー‥目腫れるぞ?」

「だぁってぇー‥‥」


泣きじゃくる碧依の涙を拭いながら、俺は微笑んだ。

俺のためにこうやって喜んで泣いてくれて。

今はそれだけで充分だ、なんて。

碧依のそばにいられることが、俺にとって1番の幸せだから。


けれど、高校に入って、俺たちの関係は少しずつ変わり始めた。




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