幼なじみ物語2
「大輔の気持ちは‥知ってるよな?」


俺はゆっくりと頷いた。

すると翼先輩は、うっすらと笑みを浮かべた。

悲しそうな笑みを。


「なら分かるよな?俺は“頑張れ”とも“諦めろ”とも言えねぇ」


そう言う翼先輩に、俺はコクリと頷いた。

翼先輩の気持ちは分かるから。

俺も大輔も大事だってことだよな?

俺だって大輔が大事。

だから自分は碧依のことを好きでいていいのか、なんて思うこともある。

そんな俺の手を、翼先輩は握りしめた。

そして、ゆっくりと口を開いた。




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