幼なじみ物語2
「で、何か用事?」


鞄から荷物を出しながら問いかける碧依。

これから言われる言葉なんて、想像もできないだろう。

俺は深呼吸したあと、口を開いた。


「碧依はさ‥‥好きなやついんの?」

「え!?」


びっくりした顔で、声をあげながら振り返る碧依。

俺はそんな碧依を、真剣な顔で見つめた。

碧依の言葉なんて‥予想できてる。


「‥‥いるよ」


予想通りの言葉。

小さな声で呟くように言ったことが、更に現実味を帯びた。


「それって翼先輩?」


分かりきったことを聞く俺。

分かってる。

翼先輩じゃないことぐらい。




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