幼なじみ物語2
「違うよ!翼先輩はお兄ちゃんみたいだから」


必死に否定する碧依。


「じゃあ誰?」


碧依の口からハッキリ聞きたかった。

“大輔が好きだ”って。


碧依の口から聞けたら、諦めることができたかもしれないのに。


「‥‥ごめん、言えない」


こうやって俺に隠すから、抑えきれなくなったんだ。

俺はいつの間にか、後ろから碧依を抱きしめていた。


「‥悟?」


俺の名前を呼ぶ碧依が愛しくて。

腕の力を一層強くした。

碧依をきつくきつく、抱きしめた。

好きだから。大好きだから。

この気持ちを、伝えようと思ったんだ。




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