幼なじみ物語2
碧依を見ると、下を向いて今にも泣きそうな顔をしていた。

そんな碧依を見て、俺は碧依から離れた。


「返事、また今度聞かせて。ゆっくり考えてよ」


そう言って、俺は部屋を出た。


あのまま碧依と一緒にいれば、きっと碧依は俺の気持ちに押しつぶされていただろう。


だから離れた。

碧依を困らせるなんてこと、したくなかったから。


気持ちを伝えたことに、後悔なんてしていない。

分かりきってる結果だけど、言えたことに意味があると思ってるから。

俺は碧依を大事に思ってるんだよって、伝わっただけで充分だから。


俺は泣きそうなのを耐えて、歩き出した。




< 136 / 163 >

この作品をシェア

pagetop