幼なじみ物語2
俺はドアの前に立つと、深呼吸してからノックをした。

ドアを開けて中へと入る。


「悟‥‥」


俺を見て名前を呟く碧依は、どこか不安そうな顔でそこにいた。


「ちょっと話あるんだけど」


いつもより低い声になりながら、碧依に言った。

不安そうな顔で碧依も返事をする。


「う、うん‥‥座りなよ」


俺は部屋に入り、碧依の前へと腰を下ろす。

相変わらず碧依は不安げな顔。


言っていいものか、迷った。

言えば碧依の顔は、更に不安で歪むだろう。

そんな碧依、見たくない。




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