幼なじみ物語2
俺は決意を固めて口を開いた。


「今日嘉津が大輔に告った」


精一杯の声で俺は言った。


「うん‥‥知ってる」


碧依の言葉に、俺は勢い良く顔をあげた。

知ってる?

こいつ、知ってんの?

じゃあ、なんでっ‥‥‥


「じゃあなんで告んねえんだよっ!なんで気持ち伝えねえんだよ!」


俺は今の気持ちを、碧依にぶつけた。

この怒りの意味を、碧依に分かってほしかった。


ずっと、碧依のことが好きだった。

誰にも渡したくなくて、自分なりに碧依を守ってきた。

けれど、碧依の気持ちは大輔にあって、大輔の気持ちも碧依にある。

だから俺は身を引いたんだ。

なのに‥‥‥

こんなのって、ないだろ?




< 149 / 163 >

この作品をシェア

pagetop