幼なじみ物語2
驚いた碧依の顔。

なんでそんな驚くんだよ?

前にも言ったのに。

俺の言葉は伝わってなかったってわけ?


なんだか悲しくなった。

それでも俺は、碧依に向かって言った。


「お前ら両想いなんだよ」

「うそっ‥‥」


その瞬間、碧依の目からは涙が零れた。

嬉しくてたまらない涙。

俺の心はズキズキと痛む。


碧依と大輔が幸せになることが、俺の幸せなはずなのに。

やっぱりつらい。

二人の幸せが俺の幸せ、なんて、ただのかっこつけ。


本当は碧依が欲しくてたまらない。

碧依がそばにいることが、俺の幸せなんだ。

それを今、痛いくらいに感じた。




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