幼なじみ物語2
俺はそう言って、碧依の背中を軽く叩いた。

そして手を振りながら二人から離れていった。


一度も振り返ることなく、来た道を戻った。


これで、良かったんだ。

碧依も大輔も幸せになって、俺だって幸せになるんだ。


そう思ってたのに、何故か俺の目からは、冷たいものが流れ落ちた。

いくら拭っても溢れ出るそれは、俺の碧依への気持ちを表しているようだった。


俺の碧依への気持ちは少しも減っていなくて。

むしろ募ったぐらい。

けれど、これから碧依に1番近い場所は、大輔だけ。




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