幼なじみ物語2
「大輔は?」


まだ何も言わない大輔に俺は聞いた。


「俺、5組」


少し寂しそうに呟いた。


「やっぱりみんな同じクラス無理だったね」


碧依も寂しそうに言った。

碧依と同じクラスになれたことは嬉しい。
だけど、できるなら大輔とも一緒が良かった。
双子だから無理なんだろうけど。


「大丈夫だよ!クラス離れるぐらい。今までだって違ったじゃん」


笑顔の碧依。
その顔は、空気をよくするためにした笑顔じゃなくて、本当に大丈夫だっていう顔だった。

碧依も俺たちの絆がそんな簡単に壊れるものじゃないって、ちゃんと信じてるんだ。

そうして、俺たちは中学生になった。

中学生という1つの節目は、小さく見えて結構大きいもの。

俺たちの絆も、少しずつ揺れ始めた。




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