幼なじみ物語2
俺は手を伸ばして碧依の頭を撫でた。

百合は碧依の手を握って、大輔は背中をさすった。

碧依はひたすら泣いた。気の済むまで泣いた。

元々神経質なところがあって、こういういじめにも敏感な碧依。
俺の心も同じように痛んだ。


「犯人‥探そうぜ」

「え?」


俺は冷静な声で言った。
3人は驚きの声をあげた。


「このままなんてだめだし、碧依を助けるためにも犯人見つけよう」


俺が真剣な顔で言うと、大輔と百合が賛同するように頷いた。

碧依は必死に涙を拭って、俺たちに「ありがとう」と言った。

この時の俺は、碧依のことしか頭に無くて、碧依をいじめた犯人の気持ちとか、そんなんは全く頭になかった。

俺にとって碧依は全てで、碧依に害を加えるものは、全部敵だと思ってたから。

こうして俺たちの犯人探しが始まった。




< 46 / 163 >

この作品をシェア

pagetop