幼なじみ物語2
「大ちゃん、さとちゃん」


俺たちの横に立つ碧依。

髪はいつもと違い結われていなくて、少しボサボサだった。
俺たちがいないことに焦ったんだろう。


「どうして先に行くのぉ」


拗ねたように言う碧依。


「だって、別に一緒に行こうなんて言ってないじゃん。碧依もそろそろ友達と行きなよ」


突き放すように俺は言った。碧依は下を向く。

碧依に朝一緒に登校するぐらい仲の良い友達がいないことを、俺は知っていた。

だから、これで友達が増えればと思ったんだ。




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