幼なじみ物語2
けれど、俺は怒った表情のまま若歌に近付いた。


「碧依の靴捨てたり、教科書破ったりしてたの、お前だったわけ?」

「あっ‥‥あっ‥」


睨みつける俺に、若歌は何も言えなくなっていた。


「なんでこんなことしたんだよ?」

「あたし‥あたし‥‥」

「なぁ?俺聞いてんだけど」


俺は表情1つ変えずに、若歌を見つめた。
若歌は突然涙を流し始めた。そして泣きながら口を開いた。


「あたしっ、悟のことが好きなの!」

「‥‥は?」


若歌の言葉に俺は驚きと戸惑いを隠し切れなかった。
若歌が俺を好きとか、考えたこともなかった。




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