幼なじみ物語2
「悟、大輔。準備は完璧?」


前日の夜、2階にあがろうとする俺と大輔に、母親が問いかけた。


「おう、完璧だよ」


親指を立てながら答える俺。


「大は?」

「多分大丈夫」


曖昧な返事の大輔。そんな大輔に、母親は少し怒り気味に言う。


「ちゃんと完璧にして行きなさいね。忘れ物したって取りに帰れないんだから」

「大丈夫だって。なんかあったら悟に借りるから」


そう言いながら階段を上る大輔。


「おい。自分の分しか持ってかねーから、何も貸せねーぞ」


大輔に向かって言ってみたけど無視。俺も後を追って階段を上る。
まぁ、大輔はしっかりしてるから忘れ物なんてしないだろうけど。




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