二人だけの秘密
アイドルか俳優かなんかだろうか。


振り向いた男の顔は見覚えないものの、整っていて綺麗だった。


なんとなく笑顔が似合いそうな優しそうな人。



「あんた誰……?」



私がそう問うと、男はすっと立ち上がって私の方へ寄ってきた。


思わず後退する。



「ねぇ、ここに住ませてよ」



キラキラ悩殺スマイルで私に笑いかける男。



「…はいっ?!」



意味が分からない。



「ここなんか居心地がいいんだよね」



「はぁ?!」



居心地がいいからって他人の家に勝手に入り込むヤツがどこにいる。


もしかして新手の詐欺だろうか。


詐欺でも詐欺じゃなくてもどっちにしろ知らない人をうちに住ませるわけにはいかない。



「すみませんがお帰りください」



私は男を逆なでしないように、なるべく丁寧に言った。



「あっ。もしかして不審がってる?! そんなんじゃないから。オレはただの守護神なんだ」



…さらに意味が分からない。




















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