龍の女神となるべき姫【下】 更新停滞中
「……っ、……悪ぃ」
その言葉と共に急に首もとに回された腕。
突然の出来事に驚いて、涙がピタリと止まる。
でも、回された腕が誰のものかくらい、すぐにわかった。
背中に感じるぬくもりをこんなにも愛しく思う相手は、あなただけだから。
「遅くなった」
そんなこと言ってるけど、ここまで走ってきてくれたんだって、ちゃんとわかってる。
息が切れるくらい、本気で走ってくれたんだね。
私はあなたを拒絶したのに。