龍の女神となるべき姫【下】 更新停滞中
違うのに。
むしろ、もっと強く抱きしめてほしいくらいなのに。
ちゃんと言葉にしないと伝わらないんだ。
私は、自信を失ったかのように力の弱まった悠基の手に、自分のそれを重ねた。
でもやっぱり言葉が出てこなくて、私は悠基の手をぎゅっと握りしめることしかできなかった。
どうか届いて、私の気持ち。
すると悠基は、真一文字に結んでいた口もとをふっと緩めて、回す腕に力を込めてくれた。
愛しさが胸いっぱいに溢れて、荒れていた心が凪いでゆく。