龍の女神となるべき姫【下】 更新停滞中
「……。
惚れた女守んのに、理由なんかいらねぇよ」
―――え?
私は思わずパッと顔を上げて悠基を見た。
ついさっきまで悠基から意識を逸らしてたくせに、スッとこの言葉だけは頭に入ってきた。
「肩書きなんざ、どうでもいい」
悠基はそう言うと私の方へと歩いてきた。
悠基との距離は5mほど。
「“天姫”とか関係ねぇ」
ここでちょうど、悠基はピタリと私の前に止まった。
私の右手を持ち上げ、少しかがんで、
・・
「お前に惚れたんだ」
手の甲にキスを落とした。