【キセコン】とある殺し屋の一日
---三、四・・・・・・---
頭の中で六発目を数えた瞬間、与一は地を蹴って、藍との間合いを一気に詰めた。
SAAは六発込め。
弾切れのはずだ。
手を伸ばすと見せかけて、足を払う。
が、与一の足が藍の足に届く前に、藍はぴょんと飛び上がる。
そしてそのまま、与一に飛びついた。
「まー、よく数えてたわねぇ。それでこそ、あたしの育てたよいっちゃんだわ~」
言いながら、びよ~んと与一の頬を引っ張る。
「ひててっ! ら、藍さんこそ、調子に乗らないでくださいよ」
己に貼り付く藍を引き剥がそうと与一が掴む前に、藍は素早く彼の背後に回る。
与一に貼り付いたまま、足を地面に降ろしていないのに、器用なものだ。
「もぅっ! 猿ですかっ」
藍を負ぶう形になりながら、与一は悪態をついた。
途端に藍が、後ろから手を伸ばして、与一の懐に突っ込む。
「こらっ! 何してるんです。助平ですねっ」
「うるさぁ~いっ。この減らず口~っ」
片手で与一の懐を探りつつ、もう片方の手は、またもや与一の頬を引っ張る。
ひとしきり懐をまさぐった後で、藍はぴょんと降り立った。
頭の中で六発目を数えた瞬間、与一は地を蹴って、藍との間合いを一気に詰めた。
SAAは六発込め。
弾切れのはずだ。
手を伸ばすと見せかけて、足を払う。
が、与一の足が藍の足に届く前に、藍はぴょんと飛び上がる。
そしてそのまま、与一に飛びついた。
「まー、よく数えてたわねぇ。それでこそ、あたしの育てたよいっちゃんだわ~」
言いながら、びよ~んと与一の頬を引っ張る。
「ひててっ! ら、藍さんこそ、調子に乗らないでくださいよ」
己に貼り付く藍を引き剥がそうと与一が掴む前に、藍は素早く彼の背後に回る。
与一に貼り付いたまま、足を地面に降ろしていないのに、器用なものだ。
「もぅっ! 猿ですかっ」
藍を負ぶう形になりながら、与一は悪態をついた。
途端に藍が、後ろから手を伸ばして、与一の懐に突っ込む。
「こらっ! 何してるんです。助平ですねっ」
「うるさぁ~いっ。この減らず口~っ」
片手で与一の懐を探りつつ、もう片方の手は、またもや与一の頬を引っ張る。
ひとしきり懐をまさぐった後で、藍はぴょんと降り立った。