悲しみの果てに


よく晴れた日。

澄んだ風。


友達の美沙と歩いていた。


――ドンッ


「・・・ってぇな!」


柄の悪い黒髪の男に廊下でぶつかった。


男の手からは購買に売ってた4つのメロンパンが落ちる。


「あ、すいません」


「んだよ。超ウゼーな」


そう言って男はツレと去ってしまう。


「あのー・・・メロンパン!!」


「・・・」


男は何も言わずに去り、結局あたしは廊下に居た人に変な眼で見られるハメになってしまった。


「・・・ケチ野郎」


あたしはそのメロンパンが可哀相になり、一応拾ってみた。


「楓夏(フウカ)、それ・・・どうすんの?」


「このままにしておくわけにはいかないから・・・届けるよ」


「あの柄悪い人に~?」


「しょうがないよ。美沙は先教室戻ってて」


「うん。・・・気をつけてね?」


美沙と別れてあたしは手いっぱいにメロンパンを抱え、男の後を捜した。





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