悲しみの果てに
――――…
誰かの支えがなくちゃダメな時に
君が言う“頑張れ”その一言が動かす
迷わせる未来の事 外せない約束も 思いのまま生きる事を一番に望んでんのに
悔しいから逃げるんじゃなく
悲しくても横に君が居るなら
どこまで行けるんだろ?
近い人じゃなく 誰かの憧れに
今何もないと気付いた時から
新しい運命は始まる
必ずというだけには叶えたいモノがある
でもできる事とそうじゃない事もあるから
悔しいから逃げるんじゃなく
悲しくても横に君が居るなら
僕が声を枯らす時
それが君の涙を枯らす時でありますようにとただ
今ひたすらに願っている
祈っている
らしくないと笑うだろうか?
でも例えば他に 方法があるとしたら
明日は何が見えてくんだろ?
――――…
「…何…この歌…」
切ないような声に、訴えるような歌詞に、あたしは聞きほれていた。
自分じゃ歌えない――。
そう確信するほどに、あたしは初めてのサウンドに出逢った。
そして…全楽曲が終わった。
あの男の先輩の演奏は聴かずに、ライブハウスを出た。
「…ハァ」
新鮮な空気の外はすっかり暗くなっていた。
あたしはギターケースを担ぎ直す。
それと共に、意志を固めた。
「決めた。」
――バンドをやろう。