悲しみの果てに
星に
―――♪
悔しかった。
自分にできない音楽を聴くと、自然とギターを触りたくなる。
あたしは夜の誰もいない公園で相棒のエレアコと二人、響いていた。
「――――よう」
「・・・おっす」
あたしは声で分かった。
あの男だ。
あたしを散々罵っても、彼には才能がある。
それを認めざる得なくて、悔しかった。
「来てくれたんだろ?」
「・・・うん」
「俺たちが終わったらスッと帰りやがって・・・」
「用は済んだもん。・・・それに」
「ん?」
「あたし、なんだか切なくなって」
「え?」
不器用にベンチから立ち上がるあたし。
それと同時に腰掛ける男。
あたしたちはきっと、正反対の生き物だ。
でもきっと
――――どこか似てるんだ。