超短編 『招待状』 最後のディナー編
俺は亜沙子さんと食事の約束をした後、自分のデスクに戻った。


「おい、今社長が来て、礼を言っていたぞ」
本田が声をかけてきた。

「えっ、社長が来たの?」

「お前、ドンゴロスちゃんの件、うまくごまかしたみたいだな」

「いや、まあな」

「いったいどうしたら、あんなもの売れるんだか教えてくれよ」
そう言いながら、本田は仕事に戻った。


俺は速達で来た招待状が気になっていた。


『長倉様へ、究極のご招待を申し上げます。
最後のディナーへ。』

日付は今週の土曜日だった。
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