失恋した女の子の独白。平易な言葉で綴られていますが、文章に強弱や緩急があり、傷心の女の子の心の波や渦が切々と伝わってきます。言葉の配置やページの使い方がお上手。
表紙に「失恋した人に読んでもらいたいです…」とありますが、作中での“ドーナッツ”は作者から読者へのエールとしていきています。不思議なドーナッツの穴をのぞけば大切なものが見えてきます。そして、ドーナッツそのものが癒しや励ましのメタファー(素朴な優しさ、元気の源、まあるい笑顔……)として作品に効果的に作用しています。
失恋した人もそうでない人も、ぜひどうぞ◎