出会いは密室で[完]
雑誌の中では
もっと気取ってる人
なんていうイメージがあったけど
実際は全然違う。
「名前は?」
「田嶋優科...です」
オレンジジュースを
飲む手を止めて、応えた。
「あたしは橋本冴美...って知ってる?」
「うんっ。雑誌読んでるよっ」
「ほんと?!ありがとう!嬉しいっ」
いきなり手を握られて、
彼女の笑顔に魅了されたあたしは
意味もなく
無意識につられて笑っていた。
こんな普通なあたしと
気軽に話してくれるなんて
ほんっとーにいい人だよなぁ…。