出会いは密室で[完]
もう、どっぷりハマってるんだ。
彼を想う恋愛に。
「あたしもね...大好きな人がいるの」
「え……」
それって...
桐野くんのこと、だよね...。
ドクン...ドクン...
いままで全く感じなかった
罪悪感が
今になって心に突き刺さった。
『大好きな人』...か……。
冴美さんはこれっぽっちも...
あたしがさっき話した『彼』が
同一人物だとは思ってないんだろうな...。
そう思うと、胸が痛い。
こんなに親身になってくれてるのに。
ほんとにごめんね。
冴美さん。