出会いは密室で[完]
「……。」
病室に入ると、
ベッドに仰向けで
目を瞑っているお母さんが居た。
ピッ...ピッ...ピッ...
心拍数を刻む音が
沈黙した病室に響く。
「......っ。」
「お母さん!」
目を開けたお母さんに
すぐさま反応したあたし。
「...ゆ、か?学校は...?」
「ほんとに...無事...なんだね?」
「優科…?」
「よかったッ...!」
あたしは
お母さんがけがをしているにもかかわらず、
強く強く抱きしめてしまった。