出会いは密室で[完]



抱きしめたまま、

お母さんの着ている服を
涙で濡らした。



「いたいってば...」


「ご、ごめんッ...」


我に返って
お母さんから手を離した。



「なに?私が死ぬとでも思った?」


「...ホントに......死んじゃうかと思ったんだから!」


「優科...」



あたしはこのとき、

この瞬間、


きっと
ほぼ一生分の涙を流した。



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