出会いは密室で[完]
カランカラン――――――――――
あたしの手から
空のジュースの缶がすべり落ちた。
「桐野くん...?」
座ったまま
あたしは桐野くんの腕に包まれていた。
トクトクトク...
心臓の音が速まっていく。
それと同時に
体温も上がっていく。
「あんた見てたら...こうしたくなった」
「な...に言ってるの?」
「今日はずっと...そばに居てやる」
急な展開でついていけてないあたし。
だけど、
彼の台詞にためらいもなく
コクンと頷いたのは
そばに居てほしいから。