出会いは密室で[完]
あたしの目の前に立っていたのは
まぎれもなく
あたしのいとこである
相馬南(ソウマ・ミナミ)であった。
彼はすたすたと家に上がり込んで、
食べている最中の
ホウレンソウの胡麻和えを
パクっと一口で食べてしまった。
「ちょっと南ッ!今日のおかず、それしかないんだから!」
「相変わらず貧乏だよな」
「だ、大体どうしたのいきなり?」
貧乏という言葉に
若干腹立たしく思いながらも
南がここに来た理由を聞いた。