出会いは密室で[完]
「CM明け5秒前ー、3。2。1っ。」
すごい――――――…
素晴らしすぎるーっっ。
肝心のベストセラー作家さんは
見えないものの、
周りのセットに感動しているあたし。
だって...
撮影現場とか初めてなんだもんっ。
「南、南、作家さん見える??」
あたしよりも
断然身長の高い南に聞く。
「んー。ちょっとなー…」
「でもなんでこんなとこで撮影してるんだろー…」
そう呟きながら
なんとなーく、
目線を360度動かしていた。
「あっ......」
嘘…。
ある人の面影を察した瞬間、
あたしは
パッと前に向き直った。