出会いは密室で[完]



ブルブルッ―――――――


「...っくしゅん!」


ダメだぁやっぱり寒い...。

両手で腕をさすってみるけど、
全然寒さは和らがない。



鳥肌もすごい立ってきてるし...。



テストの日に風邪ひいたらどうしよー…。



「...寒いの?」


今までずっと
机の上に寝転がっていた桐野くんは、


上半身をゆっくり起こして
あたしに問いかけた。



「うん...」

「んなの、扉の前にいるからだろ。」


そりゃあ...そうだけど。


窓からも扉からも離れてて
セーターまで着てる桐野くんに


この寒さはわかんないでしょ。




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