出会いは密室で[完]
▼2人の距離
学校からの帰り道は
いつも30分くらいなのに、
今日は息がうまくできなくて
もっと長く感じる。
それに、
隣で歩いている南の顔を
見ることができない...。
「……。」
なんか話さないと...
気まずいじゃんか……南...。
「...南?」
「ん...」
「あた...しね、今の状況、よく分かんないんだけど...」
「うん...俺のせいだな。」
南は俯きながら
暗い夜道の中で悲しい笑みをこぼした。